こんにちは。
インビンシブル吉岡(@invincible_ysok)です。
左利き(サウスポー)の人がギターをはじめる時に出てくる悩みのひとつに、
というものがあります。
最初に結論を言ってしまうと、
「特別な理由がなければ、右利き用を弾いた方がいい」
というのが私の考えです。
というわけで今回は、右利き側・レフティのどちらでもギターを弾いている私が
- レフティでギターを弾くことのメリット・デメリット
- 利き手と逆で弾くことによるメリット・デメリット
を書いていきたいと思います!
【動画】右利きギタリストがレフティで練習して1年経過。練習の成果と練習方法などを語る【初心者】
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目次
レフティのメリット
ではまずは、レフティのメリットから見ていきましょう。
目立つ
まずはこちら。
というか、これぐらいしかメリットはありません(笑)!
お客さん側の視点で、ライブでのステージ上の様子を想像してみてください。
真ん中にボーカルが立っていて、その両脇にギタリストとベーシストがいるという、よくある構成。
ギタリストやベーシストが持っている楽器は正面から見て右側にネックが伸びていることが通常だと思います。
それが、レフティになると…
正面から見てネックが左側に伸びているため、「なにか違う感」があって非常に目立つわけですね!
正直、書いてる自分でもこの画像じゃよく分かんねぇなと思いましたが、まぁとりあえずレフティだとちょっと目立ちます!
レフティのデメリット
さっそくメリットについて書くことがなくなったので、続いてはレフティでギターを弾く場合のデメリットについて見ていきたいと思います。
ギターの選択肢が少ない
先ほど「レフティでギターを弾く人は非常に少ない」と書きました。
そうなると何が起こるのかと言いますと、選べるギターの選択肢が非常に狭くなるんですよね。
言い換えると、レフティのギターってあんまり売っていないんですよ。
都会の大きな楽器店でも、レフティ用のギターはせいぜい数本置いている程度のお店がほとんどです。
楽器メーカーや楽器店もボランティアではないので、人口の少ないレフティプレイヤーのために、たくさんのギターを用意するのははっきり言ってムダですもんね。
レフティをある程度の本数作ってくれているメーカーは限られてきます。
超メジャーどころのギブソンやフェンダー、ポール・リード・スミスあたりならば(日本全国を探せば)それなりの本数があるので、同じ仕様のギターの中から好みのものを選ぶ、みたいなこともできなくはないです。
ただ、それらに比べてマイナーなブランドや機種になってくると、選ぶ以前に1本見つけただけでラッキーなぐらいに数が少なくなってきます。
実際に数を調べてみよう
では、突然ですがここで問題です!
私がこの記事を書いている現時点(2019年5月19日)で、レフティ(左利き用)のギブソン製レスポール・カスタムは日本全国で何本売られているでしょうか?
ちなみに、これがギブソン製レスポール・カスタムです。
非常に有名なギターなので、ギターに馴染みがない人でも1度は見たことがあるのではないでしょうか。
Point
※この写真のギターは右利き仕様です
答えは…
たったの2本しか売られていないんですよね(デジマートで検索)。
レスポール・カスタムは高級機種なので、1番多く出回っているであろうレスポール・スタンダードに比べると、元々の本数自体が多くないギターではあります。
しかし、ギターを弾く人ならば誰もが知っているレベルのこの有名どころのギターでさえ、日本全国を調べてもたったの2本しか売っていないんですね。
もしも今、レフティのギタリスト3人が同時にギブソン製レスポール・カスタムを欲しいと思った場合、1人は物理的に入手することが不可能ということになります。
ちなみにデジマートでざっと調べたところ、レスポール・カスタムの右利き仕様は約600本が売られています。
実に全体の0.3%しかレフティ仕様は存在していない、という数字になります。
Point
※デジマートでの検索には売却済のギターも一部混ざってしまうので、実際にはもう少し割合は上がると思います
また、エレキギター全体で検索すると約63,000本がヒットするのに対し、その中でレフティは約560本。
デジマートに載せていない楽器店に置いてある可能性は否定できませんが、それを踏まえてもレフティのギターは
「右利き仕様の1/100未満しか存在しない」
と言えるかと思います。
こんな状況なので、自分の好みの仕様を追求するなんてことは、ハッキリ言って非常に難しいわけですね。
いくつかのギターを弾き比べ、とか以前の問題で欲しい機種が売っていたらラッキーレベルなのが、レフティ仕様の現状です。
レフティ側でJames Tylerを持つことは諦めた方が良さそうですね…。
レフティギターはパーツも少ない
それでもレフティで弾きたいんだ!という強い意志を持っていたり、またはレフティ仕様でどうしても欲しいギターを見つけてしまった場合などは、もちろんレフティで弾くことはアリだと思います。
ただ、ギター本体はなんとかなったとしても、今後メンテナンスの際には当然ながら「レフティ用のパーツも少ない」ということは頭に入れておいた方が良いですね。
最近はネット通販があるので、まったく手に入らないなんてことは少ないかもしれません。
しかし、緊急で欲しい場合にすぐに手に入らないなんてことは十分考えられるので、モノによっては予備パーツをストックしておくことを考えても良いかもしれません。
ただ、めったにないことですが例えばシンクロナイズドトレモロを交換する場合、レフティだと交換用のパーツを用意するのに苦労するかもしれません。
左利きでも右利き用ギターを弾くべきなのか
ここまで散々、レフティのギターの少なさについて書いてきたことからもお分かりかと思いますが、
「左利きでも、特にこだわりがないのであれば右利き用のギターを弾くべき」
というのが私の個人的な見解です。
では左利きの人が右利き側でギターを弾く場合のように、利き手と反対側でギターを弾くことによる演奏上においてのメリット・デメリットを考えたいと思います。
利き手が逆になることによるメリット・デメリット
身もフタもないことを言ってしまうと、特にメリット・デメリットはありません。
一般論としてよく言われることとしては、例えば左利きの人が右利き側で弾く場合に
利き手じゃない方でピッキングすることになるので、ピッキングの習得が難しい
というものがあります。
これ、本当によく聞きますよね!
でも仮にそうだとするならば、逆に右利きの人が右利き側で弾く場合は
利き手じゃない方でフィンガリングすることになるので、フィンガリングの習得が難しい
ということになりますが、そんなことあまり言わないですよね。
私は左右どちらでもギターを弾きますが、その経験を踏まえて申し上げるならば
「慣れの問題であり、どちらでもそこまで変わらない」
というのが、私の考えです。
実際に試してない人が「きっと利き手よりも習得が難しいに違いない!」みたいに想像で話をしても、説得力に欠けますよねコレ…。
また、プロギタリストの中にも
「本当は左利きだけど、右利き側でギターを弾いている」
という人は結構多いです。
一例を挙げるならばゲイリー・ムーアやマイケル・アンジェロあたりは、右利き側でギターを弾く左利きのギタリストとして有名ですね。
ゲイリー・ムーア
マイケル・アンジェロ
これを見て、
なんて言えないですよね。
まぁさすがに例で出したこの辺の人はちょっと極端というか、才能もあってその上で死ぬほど練習しまくった人たちなので、例えとして適切かはなんとも言えませんけども…。
最後に
私は元々右利きなので、20年ぐらい右利き側でギターを弾いてきたのですが、諸事情によりオッサンになってからレフティでもギターをはじめることになりました。
右利きでギターを20年弾いてきたけど、レフティでもギターを弾き始めてみた【左利き】
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すでに書きましたが、実際にレフティでも練習してみて、そしてレフティ用のギターを探してみて
- 左右の手の違いによる、演奏上の差は思っていたよりも少ない
- (自分好みの)レフティのギターを探すのは、想像以上にはるかに難しい
ということを強く感じました。
確かにレフティのギタリストってカッコイイんですけどね。
私もたまにステージで見かけると、「おぉ、レフティだ」ってなるんですけども…。
その見た目上のインパクトと、実用性を天秤にかけると、自分で演奏するとなると断然右利き側で弾くことをおすすめします。
(これを言ったら元も子もない)
みなさんも誰かさんみたいに手を故障させないよう、ほどほどに頑張ってくださいね!