こんにちは。
インビンシブル吉岡(@invincible_ysok)です。
前回に続きまして、私の知人であり絶対音感の保持者であるハリネズミ氏へのインタビュー、後編をお送りさせて頂きたいと思います。
まだ読まれていない方は、前編からお読み頂いた方が話がスムーズかと思いますよ!
-
絶対音感とは?メリット・デメリットについて保持者に質問攻めしてみた【前編】
続きを見る
それでは、インタビュー再開です!
いつ絶対音感を自覚したのか

ハリネズミさんは物心ついた頃から絶対音感を持っているということですが、いつ「自分は絶対音感である」と自覚したのでしょうか?
どこかで「自分は周りの人とは違う」と自覚するタイミングがあったのでしょうか。
それまでは、そもそも周りの人が自分とは音の聞こえ方が違う、なんてことを意識したことすらありませんでした。
自分の聞こえ方(=絶対音感)が当たり前だと思っていましたからね。






私はメロディーを口ずさむ時、そういう風に聞こえるんで音名で歌っちゃうんですよ(笑)。


で、私としては音名で聞こえるのですが、それを友達に説明しても話が合わない。
家に帰ったあと、母にその話をしたところ「ええ!?アンタ音名で聞こえるの?」みたいになりまして(笑)。
それで絶対音感を持っていることが発覚した、という流れです。


私の母はピアノの先生だったのですが、母自身は絶対音感を持っていませんでしたし。


そこでは音感トレーニングとかも実施しているので、私はそれで絶対音感を身に付けることができました。
しかし、母としてもまさか私が絶対音感を身に付けているとは思っていなかったみたいで、実は持っていると知り驚いたようです(笑)。


まぁ、トレーニングしたところで絶対音感が身に付いていたかは分からないですけど。
私の家、音楽とは全く縁がなかったですからね。習い事も空手でしたし。
音の聴き取りについて

実際の聴き取り実験(記事上では文章だけですけど)、絶対音感でも認識できない音について、そして和音の聴き取りなどについても取り上げていきたいと思います。


ただ実験自体はガチで行います。

聴き取りの実験

今から私が音を出すので、出した音の音名を答えてください。


プッ


あなたもギタリストならせめてギターで音出しましょうよ。


こちらの方が音の判別が難しいかなと思いましたので。
では、もう1回行きますね。
ドゥ~~ピッ!
それ以前にそもそもオナラの音でその擬音はおかしいと思うんですけど。なんなんですかドゥ~~ピッ!って。


しかしコレ、私には音名が分からない以上は実際に正解しているのか確認しようがないですね(笑)!

Point
この後ギターでも実験し、全ての問題に正解しました
認識できない音

前回、インタビューの冒頭で絶対音感を持っているけど分からない音があると仰っていましたが、具体的にはどんな音が聴き取りにくいのでしょうか?
私の場合、一般的にありふれている音だと、人の声を聴き取ることができないですね。


噪音(※)よりも音程感は強い気がしますが、やはり人が喋っている声というのは「音程」よりも「意味」が先行して、聴き取りにくいのでしょうか。
噪音
何か物の擦れる音やドアの閉まる音など、振動が不規則で、振動時間が極めて短く、音の高さが特定できない音。非楽音。
というか私、歌声も正確には音程を聴き取れないんですよね。


じゃあ、テレビとかで歌手が歌っているのを聞いて、「ちょっと音程がシャープしているな」とか、そういうのって分からないんですか?
なので歌の上手い・下手の判断基準とかは、他の相対音感の方と変わらないんじゃないかと思います…多分。


私は学生時代に吹奏楽をやっていたこともあり、A=440Hzの基準は叩き込まれていますので。
さすがに「そのラ、441Hzですね」みたいに寸分の狂いもなく完璧に言い当てられる自信はないのですが、440Hz基準の音と比べてなんとなく高いか低いかは、判別できます。


では具体名を出して質問しますが、歌手の中島美嘉さんとか、よく「音程がフラット気味である」とか言われてるじゃないですか?
私はあまり意識して聴いたことはないし、ハッキリ言ってあんまり良い耳を持っていないのであまり分かりません。
ハリネズミさん的には彼女の歌、どうですか?
音程に関して言えば、正直私も分かりません。
フラット気味かぁ…そうだったんですね(笑)。
アルバム「VOICE」の頃とか、大好きで今でもよく聴いてますね~。


では話を少し戻しまして、人の声以外の音に関してはどうでしょうか?
ハリネズミさんとお話するにあたって私も絶対音感について少し調べたのですが、噪音については絶対音感を持っていても認識できない、という意見が多いようです。
やはり絶対音感を持っていても、噪音については聴き取れないのでしょうか。
例えばですけど、上で噪音の説明の中にあった「何か物の擦れる音」や「ドアの閉まる音」ですけど、意識して聞けば音名は分かります。
でも、純音や楽音を聴いた時のように「この音で間違いない」という確証のあるものではないですね。
「この音名に聞こえる」ぐらいの感覚であって、さらにそれが合っているかどうかも自信は無い、という感じでしょうか。


例えば私が全く意識していない時に先ほどのようにオナラをされて、
「今のオナラの音、何?」
とか聞かれても、分からないですし。

和音の聴き取りについて

和音というか、複数の重なる音を聴いて、全ての音を把握できるのかという質問ですね。
ただ、あまりにも多く重なってるとよく分からなくなりますけど、4~5音ぐらいであればほぼ聴き取りできるかと。


耳コピがはかどって仕方ない能力ですね、それ。
私は何かの曲をコピーしていても、ちょっと難解なコードを使われるとすぐに訳が分からなくなってしまうので、真面目にその能力欲しいです。


例えば「ド、ミ、ソ、シ」だったらC Maj7とか、「ド、ミ、ソ#」だったらC augとか、そういう言い表しができないってことでしょうか。



周波数について

先程の話の中で、ハリネズミさんは部活で吹奏楽をやっていたという経緯からA=440Hzが身体に染み付いている、ということでした。


またロック系の音楽では、敢えて440Hzより若干チューニングを落としている曲やバンドもあったりします。
こういったA=440Hzではない曲を聴くことに対して、違和感はあるのでしょうか?
または、違和感はなくとも、周波数の違いは気になったりするのでしょうか。
特に気にならないですね。


絶対気になると思っての質問だったんですけど、まさかの展開(笑)。


普段、気にならないことは間違いないのですが、それはあくまで音程を意識せず聴いているからであって、意識して聴けば周波数がA=440Hz基準なのか、または高いのか低いのかは分かりますよ。

純整律について

先程は全ての音のチューニングを等間隔で変えるパターンでしたが、純正律となるとそれぞれの音の間隔が変わってきます。
純正律は使用できる状況がかなり限定されますが、一般的に非常に美しい響きであると言われています。
とはいえ、A=440Hz基準の12平均律で訓練された絶対音感となると、この音の間隔の違いに違和感を覚えそうな気がするのですが、どうでしょうか?



Point
吉岡、ハリネズミ氏に純整律のざっくりとした説明を実施。
ちなみに純整律とは、音の周波数比が単純な整数比である音程で構成されている音律です。
A=440Hzを基準とすると、長3度上のC#は5/4倍の550Hzとなり、完全5度上のEは3/2倍の660Hzとなります。
対して、我々が一般的によく耳にする現代音楽に使用されている12平均律は1オクターブを12等分している為、A=440Hzを基準とすると、長3度上のC#は約554.37Hz、完全5度上のEは659.25Hzのように細かい数字となります。
詳しくはググってください。



かくいう私も、存在は知っているものの実際に純正律の演奏なんて聴いたこともないんですけども。
んじゃ、ちょっとYouTubeで純正律の演奏を探すんで、聴いてみましょうか。

これをお聴きになって、どうでしょうか?
正直私は、12平均律との違いがよく分かりません(笑)!
こんなアレンジするんだなぁ、という方に耳が行ってしまって、音程の違いはよく分からないですね(笑)。
動画じゃなく、実際に目の前で聴いてみたら分かるかもしれませんが…。

絶対音感を持つには

ここでは、「どうやって絶対音感を持つのか」についてお伺いしたいと思います。


というか、それ以外にあんまり答えってない気がしますね(笑)。
大手だと教育のノウハウも持ってそうですし。
少し話は逸れるんですが、絶対音感って子供の頃に音感教育を受けないと身に付かないってよく言われてるじゃないですか。
でも、幼少期に絶対音感を身に付けたいと自発的に思う子なんて、ほぼいないと思うんですよね。


結果として身に付いて、良かったと思う人もいれば、こんな能力いらないと思う方もいるんじゃないかと。
なのでこのテーマはどちらかと言うと「子供に絶対音感を身に付けさせるには」とかの方がしっくり来るような気がします。


私のように大人になってから身に付けたいと思っても、ちょっと厳しいですもんね。
絶対音感が身に付くのは音感教育を受けた人のうち、10人に1人ぐらいだと私は聞いたことがあります。
これは、某音楽教室でピアノの先生をしている私の知人が、体感としてこれぐらいだと語っていたものなので、どこまで正確な割合なのかは分かりませんけども。
ただ絶対音感が身に付かなかった=音楽の才能が無い、ということではないので、身に付かなかったからといって、特に気にする必要もないかと思います。


一問一答
ここでは、テーマとしては挙げてはいないものの聞いてみたかったことについて、一問一答形式で回答頂きました。
質問①


質問②


(※ロシア出身のピアニスト)
質問③


(※イギリス出身の音楽グループ)
質問④


質問⑤

でも波の音って、厳密には不協和音だと思います。
なんで心地良いんでしょうね…?
主音が非常にはっきりしていることが多く、強弱もあるので、雨音のように不協和音が一定のペースで続かないからですかね…。

質問⑥



質問⑦


質問⑧

事前に意識しておかないと、雑音はさすがに分からないことが多いです。

質問⑨


質問⑩

また、上には上がいますので。

最後に

これ以上長くなると、編集作業で死ぬので(笑)。
今日は長時間お付き合い頂き、ありがとうございました!


あ、あと僭越ながら一点だけ、申し上げてもよろしいでしょうか。




雑談

今回、その辺りのお話を聞くことができたのはもの凄く興味深かったです。
確かに前編で例として出した古畑任三郎の犯人とか、あのレベルの絶対音感を持ってたらもはや生活できないですよねぇ(笑)。


絶対音感を持つハリネズミさん的には、当時あの話を見て、どのように思ったんですか?
やっぱり「そんな訳ないやろっ!」とか思ってたんですか?
だから普通に放送を見ながら「ゼッタイオンカンを持ってる人って、大変なんだな~」とか思ってました(笑)。


自分とは全く異なる、不思議な能力があるんだな~とか思っていました(笑)。


…って、そろそろ本気で締めさせて頂きますね。
前後編合わせて15,000文字オーバーで、当初の想定以上に長くなってしまいました(笑)。
ここのところ記事作成に時間掛かり過ぎて、本来のバンド活動が滞っているという本末転倒な状態ですからね(笑)!
これからギター練習します!以上!!

今回インタビューを終え、絶対音感について少しは知った気になったと同時に、やはり羨ましい能力だなぁと思ったのが正直な感想です。
とはいえ今更どうにかなるものでもありませんし、相対音感を鍛えて頑張りたいと思います。
絶対音感の能力がどうしても必要な状況に直面した際には、ハリネズミ氏をカネで釣って手助けして頂こうと思います。
という訳で、ここまでお読み頂きありがとうございました!
-
絶対音感とは?メリット・デメリットについて保持者に質問攻めしてみた【前編】
続きを見る
音感テストを作りました
ハリネズミ氏にご協力頂き、音感テストを作成しました。
ぜひ暇潰しにでもチャレンジして頂ければと思います!
-
【絶対音感所持者監修】音感テストを作成したのでチェックしようぜ(^o^)丿
続きを見る