こんにちは。
インビンシブル吉岡(@invincible_ysok)です。
いきなりですが、皆さんはエジプトが好きですか?
…なるほど、三度のメシより愛してるですか。それはよかったです!(反対意見は聞こえない)
実は私はエジプトという国が大好きでして、エジプトを語らせたら大阪で5万本の指に入るのではないか、というほどのエジプトフリークなのでございます。
エジプトで有名なものといえば、多くの人がまず最初にスフィンクスやギザのピラミッドを思い浮かべるのではないかと思います。
こんなやつですね。
写真で見たことがある、という方も多いのではないでしょうか。
とりあえず今は石の話は置いておくとして、今回は砂漠の話を書いていきたいと思います。
-砂漠。
漢(おとこ)ならば誰しもが一度は「砂漠を冒険してみたい」という熱い思いを持ったことがあるかと思います。
…そう、男心をくすぐる何かが砂漠にはあるのです。
日本の国土よりもはるかに広い、砂の海。
このスケールの大きさを肌で直接感じ取ってこそ、ひと皮むけて大人になれるような気さえするのです。
結論から言ってしまうと「死ぬかもしれないからやめとけ」というのが私の感想なのですが、そうは言っても実際砂漠ってどんな感じなの?鳥取砂丘と何が違うの??と思われる人もいらっしゃるかと思います。
今回、私が直接この目で砂漠を体験してきた結果を、ここに記したいと思います。
あ、ちなみにどうでもいい話なんですけど、ビビるぐらいボラれたからね\(^o^)/
エジプトへ
前置きが長くなってしまいましたが、いざエジプトへ向かいます。
エジプトのフラッグキャリアであるエジプト航空の直行便で、関西国際空港からエジプトへは約14時間ほどのフライトとなります。
マジで長すぎて気が狂いそうです。
2017年4月現在、関空~エジプト国内間のエジプト航空便(直行便)は運休中のようです
この飛行機は関西国際空港→ルクソール空港経由→カイロ国際空港の便だったのですが、なぜか私はルクソールで降ろされ、別の国内便でカイロへ向かうことに。
なんでしょうか。新手の嫌がらせですかね??
同じ飛行機に乗っていたらしい日本人の方にルクソール空港内で遭遇した際、「今から国内線でカイロに向かうんですよ~」と言ったところ「えっ!なんでさっきの飛行機降りたの!?」みたいな顔をされた。それ俺が聞きたいわ。
無事に乗り換えができ、なんとかカイロに到着。
その後もバスターミナルが閉まっていたりと色々ありましたが、親切な現地人の助けもあり、無事にバスでカイロ中心部に辿り着くことができました。
カイロ市内の街並み。
異国情緒溢れる、素晴らしい街並みですね。
この日はカイロの中心地であるタフリール広場にほど近い安宿にチェックインし、明日の外出に備えます。
いや~楽しみだなぁ、ピラミッドやスフィンクス。
めちゃくちゃ大きいんでしょね、ピラミッドって。
いや~とうとう夢にまで見たピラミッドを間近で見られるなんて、夢のようですね!
え、砂漠?
何のことかな??
なに、冒頭で「砂漠を冒険する事が真の漢(おとこ)」だって言ってた?
そんなのウソに決まってんじゃん!砂なんか見に行ってどうするの?
エジプトと言えばそりゃあピラミッドでしょ!
という訳で、この時の私はまだあんな事になるなんて思いもせず、直前に遠足を控えた小学生のようにウキウキしながらピラミッド観光を待ち侘びていたのでした。
ピラミッドへ向かう
翌日、頑張って午前9時頃に起床した私は早速ピラミッド観光へと向かう事にしました。
本来ならば、宿で同じ部屋に泊まっていた日本人バックパッカーのN氏と一緒に出掛けるつもりにしていたのですが、なにやら尋常じゃない腹痛に見舞われて動けないという事で、残念ながら私一人での観光となります。
「直前に滞在していたインドの水にやられたかもしれないです」
という、先進国民である私にはよく分からない言葉を発しながらN氏は悶えていた為、彼には養生して頂く事となりました。
近所のファストフード店で朝食を摂った後、バスターミナルに向かいます。
そこからギザのピラミッド前までバスが出ているようです。
ボーッとしながらバスターミナルに向かって歩いていたところ、一人の男に話し掛けられました。
どうやら現地の人のようです。日本人が珍しかったのでしょうか。
どこから来たのか等、適当に世間話をしていたところ、彼は切り出してきました。
ギザより先に、サッカーラやダフシュールに向かった方がいい。
そして、ギザよりも古いピラミッドを見るんだ。ギザよりも歴史があって素晴らしいぞ。
そしてその後にギザに向かうんだ。
そこでピラミッドを見た後は日没まで待ち、ナイトショーを観賞する。これが地元民の観光の仕方だ。一番ベリーグッドだ。
でもまずギザに向かう事にするよ、バスも見つけやすそうだしね。
ほほ~。昨日空港のバスターミナル探しで現地人に助けられた時にも思った事なのですが、基本的にエジプト人には良い人が多いです。
イスラム教が関係しているのでしょうか。
今日の彼もわざわざバスターミナルまで付いてきてくれ、私の横に座りながら周りのバスを眺め、乗るべきバスを探してくれているようです。
なんかこういう親切って、凄く素敵ですよね。
私も日本で困っている外国人を見掛けたら、積極的に助けてあげようかな、とか思っちゃいます。
そしてしばらくの時間が経過した後「このバスだ。さあ乗れよ」と彼が言ったので、彼と共にバスに乗り込みます。
え、アンタも乗るの?
それで、朝になったら自分の村に帰るんだよ。
自分の身の上話を始めるエジプト人。
名前は忘れたので、以後ムハマド(仮名)と呼ぶことにします。
失礼ながら、私はムハマドの話にあまり興味がなかったので風景を眺めながらボーっとしていたのですが、そんな顔を見るなり彼は「心配するな、俺が助けてやる」という、よく分からない事を言い出すのでした。
…なんかこの辺りから嫌な予感がしてきましたね。
その後ムハマドは携帯電話で誰かと話をした後「眠いから寝るわ」と言い残し、私を放置して眠りだしました。
その後バスは数十分走り、ムハマドの言う通りの場所で下車。
そこは大都会カイロの喧騒とは縁がないような、寂れた田舎。
数十メートル先には、地平線まで砂漠が広がっています。
そしてムハマドが「あれだ」と指差す目の前には…
ジープが停車していました。
はい。これはボッタクリツアーですね。
まさかこうもアッサリ引っ掛かってしまうとは…我ながら情けないです。
しかし、帰りたいなぁという思いと同時に、私の中にひとつの恐ろしい感情が芽生えてきました。
ボラれるのもまた一興ではないだろうか?
はっきり言ってエジプトの物価は日本人からしてみたら非常に安いし、ボラれる額もある程度たかが知れているであろう。
そして、現時点で自分の居場所が全く分からない上にタクシーも通らないので、ここで彼らと別れても自力で無事に帰る事が出来るか分かりません。
そしてもう一点。
これから未来永劫、ジープで砂漠を走る機会なんて再び訪れるだろうか?恐らく無いであろう。
自分の中で心はもう決まっていたようです。悪い方向に。
期待と不安が入り混じる中、ジープに乗り込みいざ出発です。
ムハマドが運転手のオジサンに「彼は学生でお金がないんだ」と説明している。
そうそう、私貧乏なんですよ。説明してくれてサンキュー。
彼らは先程まで普通にアラビア語で会話していたのに、何故その部分だけ英語で説明しているのかよく分からないが、きっと後ろで会話を聞いている私にも理解出来るよう、わざわざ英語で説明してくれているんだと思います。優しいな~。
なんなのこの三文芝居。
何はともあれ、もう出発してしまったので後戻りは出来ません。
何事もなく幸せに終了するのか、有り金全部ふんだくられて砂漠に捨てられるのか、それともお金だけじゃ飽き足らずに身ぐるみ全部剥がされるのか、後は野となれ山となれです。
今はとりあえず、そんな不安は忘れて目先の観光を楽しむ事にしましょう。
ジープは砂漠へと入ってゆく。